「高額療養費制度の上限引き上げ?いつから?」をわかりやすくザックリ解説!

2024年12月30日

こんにちは、初心者さんサポートFPの郡山です。

当たり前なのですが年末は来年に向けたお話が色々と立て込むタイミングで、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、日本の公的医療保険万歳と言わしめる要因の大きくを占める『高額療養費制度』がこの度改悪に向けた決定がなされましたね。

社会保険が現実的にこの先も今のままというのは立ち行かなくなるであろうことは明白でしたので、それほど驚くことではなくやはり来ましたかという感想です。

まずもって「高額療養費制度ってなんですか?」というお話もあるかと思いますが、そのあたりも含めてざっくり解説をしていきます!


「高額療養費制度」とは?

さてまずもってのお話ですが「高額療養費制度ってなに?」と思われる方もいらっしゃると思います。今回は細かな制度の内容について触れるのは控えますが、ざっくり言うと「あなた一ヶ月でこんなにも病院代支払わなくてもいいよ、これぐらいの金額でいいよ。」という制度です。つまり病院にかかった時の自己負担額が高額にならずに済むようにしてくれる素晴らしい制度です。

これを使うと(基本自己申告しをないといけません)、もし病院を出るときに「お支払い30万円です。」と言われたとしても、高額療養費制度を使うことで一般的な稼ぎの方だとざっくり「9万円」程度にしてくれます。そうなると「30万円-9万円」で約21万円が返金されるというわけです。

なんて素晴らしい制度!これさえあれば結局自分のお財布からは10万円未満しか支払わなくて済むので民間の医療保険とか要らないや!なんて声がSNS周りでも乱立していますが、残念ながらそう容易い話ではありません。高額療養費制度には適用条件がありますので、それらに当てはまらない医療費負担は関係なしです。
とは言えこのおかげで日本の医療費自己負担はかなり軽減されていますので、非常に大きな医療における守備の要なのです。


「限度額」の引き上げ

参照:毎日新聞

さて今回のブログの本題はコチラです。

そんな素晴らしい高額療養費制度が変化を迎えます。どこが変わるのかというと「自己負担限度額の金額」です。「自己負担限度額とはなに?」というところからいくと、ざっくり言うと“あなたが全額自己負担しなければいけない最大の金額”ということです。
例えば上記画像の現行で見ると「年収370~770万円の方は最大8万100円までは自分のお財布から支払わなければいけない」ということですね。

そんな自己負担限度額が引き上げられるという事です。
シンプルです。『もっと皆さんのお財布から支払うように今後はしてちょうだい』というわけです。どれぐらい引き上げられるのかは上記画像の通りで、引き上げタイミングは2025年8月と2027年8月の二段階式でアップします。


なぜ引き上げた?

ではなぜ限度額を引き上げたのでしょうか?

ニュースなどを見るとこの「高額療養費制度の引き上げ」と同時に語られるのが「現役世代の社会保険料負担の軽減のため」となっています。労働人口にあたる現役世代の支払っている社会保険料は少なくとも過去との比較では爆上がりしています。物価高で同じ生活をしていてもお金が無くなっていく中、どんどん税金部分が値上がっていくのは本当に苦しい、もっと言えばお給料さえ上がればいいのですが、無念ながらそうはいかない。

上記イメージ画像ではないですが負担負担とばかりなっては大変。ということで社会保険料の負担を減らしますね!ということで打ち出されたのが今回の『高額療養費制度の引き上げ』だったのです。

「社会保険料の負担を減らすために?高額療養費制度の引き上げ?」となった方もいらっしゃるかと思いますので、ざっくり説明をすると。
『社会保険料をみんなから集めて作った貯金箱から、高額療養費のような医療費というのはまかなっていますが、この貯金箱からじゃなくて自分たちのお財布からできるだけ出してとなれば、その分貯金箱に集めなければいけないお金も少なくして良いですよね』という意味です。
まぁつまるところ“自分のことはできるだけ自分で払ってくださいよ”という流れです。

ではどれだけ社会保険料が減額されるのか!
「年額1,100円~5,000円お得になります!」
とのことです。

うーん…月額換算だと100円以下とか500円にも満たない。
本当にこの減額が皆さんの生活の足しになり、良かった良かったとなるんだろうか?むしろそれより高額化する瞬間をしっかりサポートしてくれることの方が大事なのではないか?(高額療養費制度がということですね)
「社会保険料お得にするから、代わりに高額療養費制度の限度額引き上げるね!」というのは天秤の重さが攣り合っていないと思うのは自分だけでしょうか。

個人的にはこの高額療養費制度引き上げの背景にあるのは社会保険料負担の軽減ではないと考えています。そのあたりちょっと話を聞いてみたいという方はLINEでその旨お声掛けください。

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まとめ(個人的所感も)

ということで「高額療養費制度の引き上げ」ざっくりご理解いただけましたでしょうか?あくまでこのブログで全体像や輪郭を掴んだとなっていただけていると幸いです。

個人的には『保険・保障の本来の在り方、価値を見逃さないこと』はとても重要だと考えさせられます。つまり『保険・保障は自分のお財布から出すには高額な部分を補ってくれる』のが本来の価値だと自分は認識しています。
その観点からいうと、「高額化を抑え込む高額療養費制度」はとても重要な守備の一手ですので、もし本当に「社会保険料を軽減すること」が目的であったとしても、その守備の一手を損なうようなことはするべきではないなぁっと思う次第です。

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ではでは郡山でした。