資産凍結を防ぐ!家族サポート証券口座とは?わかりやすくザックリ開設

こんにちは、初心者さんサポートFPの郡山です。
今回のお話はあまりメディア界隈でも取り上げられることがそれほど多くなく、耳にする機会も少なかった話題ではあるのですが、今後重要性が非常に高まるお話だと個人的には考えているので、皆さまの耳に入れておいていただければと考えています。
2025年2月、日本証券業協会は「家族サポート証券口座」の要綱を取りまとめたと発表しました。そうです、今回のトピックはこの『家族登録サポート証券口座』についでです。
目次:
①家族サポート証券口座とは?
②現在ある制度との違いは?
③まとめ
①家族サポート証券口座とは?

まずは「家族サポート証券口座」とはなんぞや?というお話ですが、ざっくりとした言葉でいうと『家族間で資産管理ができる証券口座』というところです。「家族が誰でもやりくりできる口座なの?それなら夫婦で持ちたい!」みたいな誤解が生まれそうですがそうではありません。
この話が浮上している経緯には「高齢者の資産凍結問題」がまず存在します。そしてこの話をする上で日本に以下のルールがあることを皆さんご存じでしょうか?
法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、
その法律行為は、無効とする。民法第3条の2(意思能力)
この民法が言いたいことは「意思能力がない方の行為は無しね!」ということです。では意思能力がないとはどういうことか?結論としては『認知症』がその問題の大きな部分です。
ニュースなどで目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、高齢者の認知症率は年々加速しています。直近のデータ2022年では7人に1人が認知症と言われています。予備軍の方もいれると正直もっと確率は上がってくるでしょう。そしてこの流れは今後もどんどんと加速していきます。高齢者の人口が増える上にさらにその中での認知症率も上がるわけですから、人口に占める認知症率は増える一方なわけです。
そして話を「家族サポート証券口座」に戻しますと、ここでいう「家族間で資産管理ができる」というのは『高齢者の方が認知症となり意思能力がないと判断された場合に、当人の資産に対して何も手出しができない状態になってしまう』という状態を防ぐためのお話なのです。つまりは『代わりに資産管理ができる権限を家族内の誰かに付与しましょう』という制度のお話と言っても良いでしょう。

上記画像は日本証券業協会の家族サポート証券口座に関する資料の一部抜粋です。少しばかり概要が知れるかなと思いますが、同時にまだこれから詳細が決まっていくところもあるので、現状ではあまり内容については議論しづらいところです。
②現在ある制度との違いは?

この「高齢者の資産凍結問題」に対して全く打つ手が今までなかったわけではありません。詳細は割愛しますが、上記画像の通り証券会社が整備している以外の方法も含めて存在はしています。
ただ法定後見制度はこれ自体の在り方が問題視されている部分があり「最後は裁判所とかでなんとかしてくれるでしょ」なんて思っていると痛い目に見る可能性があります。ここについてはYoutubeなりで“法定後見制度”と検索するだけでもわんさか出てきますのでご興味ある方は覗いてみてくださいm(__)m
さて話を戻しますが、まだ家族サポート証券口座の詳細は決まり切っていないので、詳しいことは語れませんが、現段階で分かっている点で他手段との大きな違いは2つです。
①本人の口座のままで管理ができること
②買い付けが行えること
①は別途違う口座へ移すという手間なしに管理できるメリットがあり、あくまで本人の資産を“家族である代理人”が代わりに管理するという形式に仕上がっています。
②については資産保全の観点から買い付けも必要な管理方法であると言えるので「とかく現金化するかぁ(つまり売却)」と選択肢が限られないのはメリットと言えます。
総じて、家族サポート証券口座は他の資産凍結を防ぐ方法と比べると「簡単」「シンプル」「低コスト」と言った設計になっているので、この制度がスタートしたとなれば、ご家族事情次第では早めに活用しておかれた方が良いのではないかと思います!
③まとめ
ということで現在分かっている範疇ではありますが「家族サポート証券口座」についてザックリ解説でした。このお話今現在はまだ始まっていないもので早ければ2025年夏~となるそうですので、またより詳しい情報などが出てきましたらLINEからご案内するようにいたしますね。LINE登録まだの方は友達登録いただき気長にお待ちいただけると幸いです!
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そして何より資産形成において、実は忘れがち蔑ろにしがちなのが守備力です。今回の資産凍結はもちろんのこと、生命保険を適切に利用した生活に対する守備。新NISAやiDeCoなど投資でお金を増やすことはもちろん大事ですが、そこだけに目をやりすぎて守備を抑えるのを忘れてしまわないようにどうぞお気をつけください。
今回はイチトピックに限定したお話でしたが、普段のお金の授業などでは初心者さん向けに資産形成の基本をおさえるお話をしていますので、ご興味ある方は気軽にLINEでご質問などお送りください!勉強会は下記リンク先から開催日程などご覧いただけます。


ではでは郡山でした。