終活しておくべきマスト3選&注意点 ~個人的見解~

こんにちは、初心者さんサポートFPの郡山です。

さて今回のお題、資産形成のご案内をし続けている身としては唐突なものと思われるかもしれませんので事の経緯をお話しますと、先日郡山の父が亡くなりました。指定難病に罹患しており、覚悟はしていましたが、唐突にやってきました。
そしてこの機に経験したことで資産形成にも繋がることを、今回はお届けしておきたいと考えたわけです。

あくまで個人的見解も込みでのお話ですので、そのあたりご容赦いただければと思います。同時にご年齢関係なく「終活」というのはあって然るべきものだと思いますので、ぜひ身の周りの方のことを思って目を通していただけると幸いです。


目次:
①終活とは?
②終活マスト「意思表明」
③終活マスト「資産」
④終活マスト「連絡先」
⑤終活の注意点
⑥まとめ


①終活とは?

まずもって「終活ってなに?」というお話もあると思いますので、少しだけ鑑みておきます。

終活とは『人生の終わりに向けた活動』のことです。どういった活動があるのかというと基本的には残されたご遺族のため・終末期のご自身のための活動内容が主です。財産整理・管理、遺言書、葬儀・お墓の準備 etc…挙げれば切りがないほど色々とあります。

その中でも今回自分自身が父の件から経験的に重要だと感じた終活項目を3つに絞ってご紹介いたします。

②終活マスト「意思表示」

個人的に終活において最も準備しておくべき事の一つが『意思表明』です。何の意思表明かというと「医療や介護における選択」に対するものです。

例えば医療における部分で言えば、本人の意思表示ができない状況に陥ったときに延命治療を選ぶのか選ばないのかの選択を家族が選ばなければいけなくなります。このとき家族はどの選択を選ぶべきなのか。家族が思う意思はもちろんありますが、最も尊重するべきは本人の意思であると捉えるのが一般的でしょう。まさにこのケースについて、今回我が家では事前に主治医・介護関係の方々・そして家族が集まる場を設け、父親の意思を聞きその上で家族の思うところなどを共有する機会を作りました。この機会があったことでその後の父親が取る選択に対して納得度のある、ある意味死という選択すらも受け入れることができたと思っています。

また同時にこの医療介護における意思表示は一回選択したから変更ができない。という代物ではないという考慮も大事ではないかと思います。命に直結する選択を選ぶことに迷い悩みが生じない訳がありません。状況や環境などが変われば同じ設問に対して選ぶ選択は変わり得ます。父も延命治療における選択は変わりました。

色々な家族および人間関係の在り方が存在すると思いますが、当人の人生が誰のものでもない当人のものであるならば、できる限り当人の意思が最も反映された選択を選べるように『意思表示』をしておくことはとても重要だと思うわけでした。

③終活マスト「資産」

さて続いては一気にハード面に近いお話「資産」です。皆さんご家族・配偶者の方のメインバンクはご存じですか?株や投資信託などの有価証券があるかどうかご存じですか?どういった生命保険に加入しているかご存じですか?

意外にご家族の事でもこういったお金周りの情報共有はされていないケースが多いと思います。ご遺族に割り当てられるはずだった資産の存在を知ることなく時が過ぎれば、資産凍結は免れません。昨今は新NISAを中心に投資を始める方が増えたことで有価証券を保有している方も増えたと思います。そしてNISAの名義人が死亡された場合はご遺族へと引き継ぐ形(課税口座で)が取れるのですが、根本的にこの事をご存じない方も多いでしょうし、どの金融機関でNISAをしているのか家族が把握していないケースなどざらにあります。

ぜひこの機会に「資産」に関する以下3点は分かるようにしておくことをオススメします。
・どこの銀行がメインバンク?
・NISAなど投資してる?してるならどこの金融機関?
・加入している生命保険証券の保管場所

また資産凍結に関してよくあるお話で「死亡後に故人の資産を出金するのはあり?」といったお話がありますが、簡単にまとめると以下の通りです。
死亡前=本人の意思・指示で出金OK
死亡後(凍結前)=物理的には可能
死亡後(凍結後)=出金不可
※資産凍結となるタイミングは金融機関が死亡届の通知を受けた時点

ちなみに我が家は父がすでにお金周りの整理をしていました。以前父と何気ない会話で「実は●●の株をずっと持ってるんだ」とこそっと教えてくれたことがありましたが、それもしっかりと売却していました。

④終活マスト「連絡先」

そして終活マスト項目と考える3つ目が「連絡先」です。何の連絡先かというと当人の親しい方などの連絡先です。昨今では電話帳という紙で連絡先を残すことはほぼなく、ほとんどの方がスマホの中のデジタルデータですよね。よほど普段から情報共有なり仲睦まじいご家族でない限り、自分以外の方のスマホのパスワードを知っているという事はないと思います。つまり死後スマホを開くことが出来なくなることで、当人の親しい方にお亡くなりになった事実はもちろん、その後の通夜・葬儀などの連絡ができなくなってしまうのです。

生々しい話ですが、今回父の一件では死亡直後はまだ指紋認証ができてスマホを開くことができ、分かる範囲でそこから連絡ができたとのことでしたが、死後硬直が始まるとなかなか指紋認証もたやすくはできなくなったのです。

関係者の側からみても、関係性の深い方の訃報を、ことが起きてから数か月経った際に聞かされても、現実的にその時点で何かしてあげることもないため苦虫を嚙む思いとなってしまいかねないです。できるだけ迅速に必要な関係者・親しい方々には連絡を取れるに越したことはないわけです。

⑤終活ツールと注意点

🔳終活ツール
上記の通り「意思表示」「資産」「連絡先」の3つが郡山が最も終活しておくべき項目でしたが、ではどうやってこの3つを終活として形に残せばいいでしょうか?

すぐに着手できるやり方で言えば『終活アプリ』があります。アプリならご家族の方々それぞれのスマホにもアプリを入れることで終活内容を共有でき、何より手軽に始められます。アプリにはいろいろな形式のものがあり、どれが特別おすすめとは言いませんが、できる限り大手企業のリリースしているアプリをおすすめします。
理由は「大手企業のアプリの方がサービス終了となる可能性が低いと思われるため」です。アプリのサービス提供が終了してしまうと、せっかく終活用に残したデータが削除される危険性があります。アプリを使う際にはその危険性も視野に入れておく方が良いかと思います。

アプリ以外ですと『エンディングノート』という終活用ノートがあります。紙媒体なのでアプリほど手軽にすぐできる・共有しやすいとは言いませんが、アプリのデメリットであるサービス終了によるデータ削除の危険性はありませんね。またこれはリテラシーの問題もあると思いますが、紙媒体の方が全容を見やすいのではと思います。

シンプルにデジタル派とアナログ派という具合で選ばれるのでも良いかと思います。ちなみにうちの父はまさにこのノート型で終活をしていました。

🔳終活注意点
さて上記のアプリもしくはノートを使って終活したとしましょう。ただこの終活方法には大きな落とし穴が一つあります。それは“アプリもエンディングノートも法的拘束力はない”という点です。「まずもって終活に法的拘束力って必要なの?」という点ですが、必要な方には必要となります。その代表例が『相続問題』です。

相続する資産がありその相続配分などに対して明確な指示があるのであれば、その内容をアプリやエンディングノートに記載していても残念ながら従わねばならぬ道理とはなりません。ではこの場合どういった方法を取るべきなのか。答えは『遺言書』です。遺言書であれば法的拘束力を持ち得れます。その分正しい形式に乗っ取り書き進める必要がありますのでご注意ください。

 

⑥まとめ

父が亡くなった日の夕空

という事で今回は『終活』についてでした。

正直父の一件が起きるまでは自分自身の終活について考えることはありませんでしたが、いざ翻ってみると自分に万が一のことが起きた時に、どうやって奥さんに自分の資産のコト・連絡先のコト・また自身で意思表示ができない状態だったときの命に関わる選択の選び方などを伝えるんだろうと思ったときに、まったく準備ができていないことを気づかされました。
当たり前のことですが、人間目前に迫ったり体感しないと気づけない・動けない・本心からそう思えないという事は多々あり、そのうちの一つだと思っています。

そして生みの親(父)という世界に二人といない存在がいなくなるということが、どれほど大きなことなのか。これまた当たり前のことなのですが経験して初めて知ることとなったわけでした。周りの大切な方々のためにも『終活』とまで言わずとも、準備するべき事は鑑みたいところですね。

ではでは郡山でした。

資産形成

Posted by 郡山 悠也