「労働分配率は51年ぶりの低水準」をザックリ解説!

こんにちは、初心者さんサポートFPの郡山です。
マネーセミナーや個別相談などで郡山とお会いしたことがある方はご存じの通り、自分はイチサラリーマンです。毎日会社に出勤し仕事をして成果を出しお給料をいただく。サラリーマンに限らず給料を受け取るということは「働いた分」「成果の分」に対する報酬なわけですが、その適量度合いというのを企業側から見た数値として『労働分配率』というものがあります。端的に言うと“儲けた分をどれだけ給料等に分配しているか”という数値ですね。こちらの数値から読み取れる経済ニュースをザックリ解説します。
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① 労働分配率の低下と企業の利益
- 2024年度の**労働分配率は53.9%**で、1973年度以来51年ぶりの低水準。
- 労働分配率とは、企業の付加価値のうち人件費に充てられた割合。
- 特に大企業ほど分配率が低い傾向(資本金10億円以上の企業で36.8%)。
- 企業の内部留保は636兆円と過去最高。賃金には十分に回っていない。
② 賃上げの現状と限界
- 2025年春季労使交渉の賃上げ率は5.25%、前年の24年も5%超えで好調。
- それでも労働分配率全体への影響は限定的。
- 人手不足により中小企業の分配率は上昇傾向(70.2%)。
- 企業のグローバル化による利益増(海外子会社からの配当など)は、国内賃金に直結しないため分配率を下げる要因に。
③ 社会的責任としての賃上げと政策課題
- 経団連は、内部留保は「安定経営に必要」としつつも、賃上げや投資の重要性を指摘。
- 構造的な賃金引き上げの必要性が社会的に求められている。
- 物価高と参院選(7月20日)を背景に、経済政策が争点。
- 各党は給付・減税などを公約。
- 企業利益の適正分配と持続的成長戦略の構築が求められる。
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ということで、“ザックリ”ご理解いただけたでしょうか?改めて流れをおさらいしておくと以下の通りです。
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・2024年度の労働分配率は51年ぶりの低水準
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・分配率は「大企業=低い、中小企業=高い」傾向あり
↓
・企業の内部留保は過去最高額
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ということでこのお話だけを聞くと「企業が儲けを抱え込んでいて(内部留保)、全然給料へ回していない!」といったメッセージを掲げたくなる内容となっていますが、実態として果たしてそうなのか?と個人的には考えます。もちろん内部留保額が積み上がっている企業もいるでしょうが、同時にそうでない企業の方が多数いるでしょう。30年以上生き残る企業が全体の約0.02%だと言われるように、内部留保を抱え込める企業がごく一握りです。
参院選を間近に各党の施策について議論される場面を一部見ましたが、物価高対策としての賃金引上げを謳い、賃金引上げができる要因が内部留保だなんて言い方をしているのを目にしましたが、とんでもないとしか思えませんでした。企業が業績に困っているときに「売上を上げればいいんだよ」と言っているようなものだと感じます。「どうやったら売上が上がるのか」を考えるのが大事なんじゃないですか…と。
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ではでは郡山でした。
