「原発が握るデータセンター競争」をザックリ解説!

2025年7月29日

出典:北海道新聞

こんにちは、初心者さんサポートFPの郡山です。

皆さん普段から何かしらAIを使う機会ございますか?何か調べものをするにしても、問題を解決するにしても、画像を作るにしても、AIで生成する方多いのではないかと思います。今後もさらにその利用数等は伸び続けていくでしょうが、AIの活用は湯水のように無限なのでしょうか?答えとしてはNOです。データセンターなくして膨大な情報処理はできませんし、なんならそれだけのデータセンターを稼働させるためにはまたしても膨大な電力が必要です。
ということで今回はその電力と原子力発電のお話をザックリ解説です。





【1. 泊原発再稼働とその意義】

  • 泊原発3号機(北海道電力)が原子力規制委員会の安全審査に合格し、2027年にも再稼働予定。
  • 同機は日本で最も新しい原発で、長期間にわたり厳格な審査を受けてきた。
  • 北海道は再生可能エネルギーのポテンシャルが高く、泊原発の再稼働で脱炭素電源の供給地としての価値が増す。
  • 背景には、AIやデータセンターの電力需要増という新しい文脈があり、原発は「電源確保」の面で再評価されている。

【2. 「ワット・ビット連携」によるデータセンター地方分散】

  • 政府は「GX2040ビジョン」において、電力(ワット)と通信(ビット)を連携させる戦略を掲げた。
  • 従来、データセンターは関東・関西に集中していたが、今後は電源の豊富な地方(北海道・九州など)に誘致。
  • データは光ファイバーで都市部へ送ることで、都市の電力負荷を抑えつつ、地方振興を図る。

【3. 国際的なデータ流通主導権をめぐる競争】

  • データは「21世紀の石油」とされ、日本が国際的ハブとなるためには、脱炭素電源と国際海底ケーブル接続が不可欠
  • 福岡県糸島市や北海道苫小牧市にソフトバンクなどが国際海底ケーブル拠点を整備中。
  • これらの地域は既存の原発や高電圧送電線に近く、地理的にも海外(韓国・北米)に近いため適地とされる。
  • 日本がデータセンター誘致に成功すれば、経済安全保障の強化と国際競争力向上に繋がる。

必要であれば、各セクションごとの詳細や図解もご提供できます。

国名運転中の原発基数建設中原発比率(電源全体)主な特徴
🇺🇸 アメリカ約93基2基約18〜19%世界最大の原発保有国。老朽化炉が多いが高稼働率。次世代炉の開発進行中。
🇫🇷 フランス約56基1基約65〜70%原子力依存度が極めて高い。電力の輸出国。EUでも重要な脱炭素手段。
🇨🇳 中国約57基23基約5%(今後増加予定)世界最多の建設中基数。国産炉+外国技術で急拡大。脱炭素・エネルギー安保戦略。
🇷🇺 ロシア約38基3基約20%輸出型原発(トルコ・インド等)に強み。SMR(小型炉)にも注力。
🇰🇷 韓国約25基3基約30%国産技術の輸出成功(UAE等)。安定運用で信頼高。脱原発→回帰の動きあり。
🇯🇵 日本33基(再稼働17基程度)2基程度(再開発中)約7〜8%(再稼働前提)震災後に稼働停止多数。安全基準厳格で再稼働に時間。次世代炉は未確定。

日本の原子力発電:メリットとデメリット

✅ メリット

観点内容
脱炭素対応CO₂をほぼ排出せず、再生可能エネルギーと並ぶ脱炭素の柱となる。
安定供給太陽光や風力と異なり、天候に左右されず安定運転が可能。ベースロード電源として有効。
地政学的リスク低減LNGや石炭の輸入依存を減らし、エネルギー安全保障の強化に貢献。
既存設備の再活用再稼働により建設コストを抑えて供給力を確保できる。
経済面の波及効果地方経済(立地地域)への雇用・インフラ波及。泊原発のようなケースはデータセンター誘致にも寄与。

❌ デメリット

観点内容
安全性と世論福島事故の記憶が強く、国民の不安や反発が根強い。再稼働には自治体の同意も必要。
再稼働の遅さ世界一厳しい規制基準があり、審査に10年以上かかるケースも(泊3号機など)。
廃炉・廃棄物問題使用済み核燃料の最終処分場が未確定。高レベル放射性廃棄物の行き場がない。
コスト高安全対策費や遅延によって建設・再稼働のコストが膨大。経済的に競争力を欠く場合も。
国際競争力の遅れ中国・韓国などは原発輸出で国際的プレゼンスを強化する一方、日本は出遅れ。




ということで、“ザックリ”ご理解いただけたでしょうか?改めて流れをおさらいしておくと以下の通りです。

~~~~~~
・北海道の柏原発3号機が再稼働予定

・データセンターの電力を原発が担う

・AIを中心とした世界的なデータ流通競争が起き始めている
~~~~~~

ということで、「石油をおさえた者が戦争に勝つ」という時代があったように、これから訪れるAI時代における石油の役目を果たすのがデータセンターであり、そのデータセンターを稼働させるおおもとは電力です。電力発電にはいろいろな方法がありますが、その中で原子力発電は大きなパワーを持つ手段と言えます。日本もこの波に良いポジションで乗れるようにするためには、二番煎じ三番煎じとなってしまわないようにスピード感がとても重要になってきますが、いかんせん日本の原子力発電は稼働前に20年を要するとのことで、覇権を握るにはあまりにも遅すぎるのが実態だと思います。

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ではでは郡山でした。

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Posted by 郡山 悠也